Infection

  • TOP
  • 感染予防対策

医療機関として遵守すべき大事なこと

医療機関として遵守すべき大事なこと

「院内感染」とは、治療に行った医療機関で別の感染症にかかってしまうことで、あってはならないことです。歯科医院では、出血したり、歯を削ったり、唾液が飛んだりしますので、衛生管理を徹底しないと院内感染をおこす可能性があります。

埼玉県川口市の新井宿駅徒歩5分の歯医者「たのうえ歯科医院 予防・矯正・総合クリニック」は、医療機関として当たり前ではありますが、患者さんに安心してご来院いただけるように衛生管理を徹底し、さまざまな院内感染予防対策をしております。

スタンダード・プレコーション(標準予防策)

スタンダード・プレコーション(標準予防策)

血液や体液、粘膜や傷のある皮膚などすべてを感染の可能性のあるものとして取り扱います。これは、感染症患者か非感染症患者かで区別しません。そして個人用防護具としてマスクやゴーグル、グローブやプラスチックエプロンを着用して治療や処置を行います。感染の可能性のあるすべての廃棄物は医療用廃棄物として専用容器に保管し、専門業者に回収を依頼します。

これは、1996年にアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)が発行した隔離予防策ガイドラインにより提唱された標準予防策です。この考えが念頭になければ感染予防対策は成り立ちません。

専用消毒室の完備

専用消毒室の完備

感染予防対策を行うためには専用空間での作業が必要です。治療が終わった器具はすべて専用の消毒室へ送られ、担当スタッフが器材を衛生処理し、感染物(感染の可能性があるものも含む)を破棄します。

消毒室内の設備
ウォッシャーディスインフェクター

ウォッシャーディスインフェクター

国際規格の洗浄消毒装置を2台導入しています。
洗浄→高温消毒→すすぎ(2回)→高温すすぎ(防錆処理)→乾燥
の工程を国際基準で行います。消毒対象物が熱水消毒可能な場合、熱水消毒が優先です。標準予防策の普及と作業の省力化、作業従事者の感染防止にも有効です。

恒温機能がある超音波洗浄機

恒温機能がある超音波洗浄機

異物を除去して元の状態に戻しまたは近づけるのが洗浄です。超音波洗浄は、器具に付着する異物を剥離させます。水温が55℃前後のとき、超音波の出力がもっとも高くなるので、恒温機能が欠かせません。キャビテーション効果が得られ、繊細な機材の洗浄にも有効です。

歯科用ハンドピースメンテナンス装置

歯科用ハンドピースメンテナンス装置

歯科用ハンドピースとは、口腔内で使用する切削用機材です。使用後は付着する血液や切削破片を専用装置で洗浄します。ハンドピースをエアーを噴出させる部位にセットし、オイル注入と洗浄を行います。滅菌装置にかける前の内面洗浄です。

クラスB高圧蒸気滅菌器

クラスB高圧蒸気滅菌器

クラスB高圧蒸気滅菌器とはヨーロッパのもっとも厳しい基準をクリアした滅菌器で、医科水準の滅菌が可能です。複雑な形状の歯科器具の細部まで滅菌し微生物を死滅させるために、庫内の空気をポンプで抜き真空にしたあと飽和蒸気で満たすという工程を3回くり返します。日本の歯科医療現場で使用している医院はまだ多くありません。

クラスN滅菌器

クラスN滅菌器

簡易的な高温蒸気滅菌器で、滅菌処理後すぐの使用に適しています。使用頻度が高く、治療の侵襲性が低い器具のための滅菌器です。滅菌器で処置できる素材の治療器具はすべて滅菌処理します。

さまざまな取り組み

リフトの設置

リフトの設置

1階にも2階にもある診療室で使用したすべての機具は専用の消毒室に集め消毒します。使用した治療機具を持ち歩く距離をできるだけ減らすように、専用リフトを設置しています。そして2階の専用消毒室に届けるのです。

酵素洗浄剤への浸漬

酵素洗浄剤への浸漬

血液などのたんぱく質の汚れを落とすために、まずは専用の洗浄液(酵素洗浄剤)に浸漬してたんぱく質を分解します。汚れをしっかり落としてから、次の工程の消毒や滅菌を行います。

消毒

消毒

傷のない粘膜や皮膚に接触したものは、規定された消毒方法で消毒します。材質上、加熱滅菌できないプラスチック製のものは、高水準消毒薬に浸漬します。そのほかの加熱滅菌可能な歯科機材は滅菌器での処置が優先です。

廃棄処理

「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律」にもとづいて、感染の恐れがある医療器材の処理を行います。廃棄は外部の専門業者に委託します。

保管

保管

滅菌処理後の治療器具は直射日光が当たらない専用の場所で保管します。滅菌消毒を完了したものだけを入れる、扉を閉められる保管場所です。

診療現場での対策

使い捨て製品の使用

使い捨て製品の使用

当院では以下のものを使い捨てにし、患者さんごとに交換しております。
■バリアフィルム
スタッフが手を触れる診療台周りに貼ってある透明なフィルム
■スリーウェイシリンジのチップ
お口の中に水を出したり空気を出す器材の、お口に入れる部分のチップ
■ロビンソンブラシ
歯を清掃するブラシ

その他マスクやグローブ、エプロンや紙コップなどもディスポーザブル(使い捨て)製品を使用し、患者さんごとに交換し、使用後は廃棄します。

診療台

診療台

診療中に手袋で触れる部分にはカバーフィルムを貼ります。

手術時

手術時

出血をともないやすい手術時は、標準予防策に加え、さらに感染予防の指針に注意を払います。専用機材は患者さんごとに組み立てて手術前に滅菌処置を行います。

してはいけない行為

してはいけない行為

唾液や血液の付着の可能性があるので、診療中は、診療用のグローブをしたまま、診療台以外のパソコンやマウス、ペンや電話機などには触れません。

歯科感染管理者、滅菌技士の資格を保有するスタッフ

歯科感染管理者、滅菌技士の資格を保有するスタッフ

歯科感染腺管理者資格は歯科領域における医療安全策の構築ができる管理者に与えられる資格です。当院では、清水と永井がNPO JAOS 第2種歯科感染管理者資格を取得しています。また、滅菌技士は医療施設に関連した滅菌供給の知識と実践にすぐれた専門技士に与えられ、当院では、永井が一般社団法人日本医療機器学会 第2種滅菌技士資格を取得しています。

すべては安心して受けられる歯科医療のために

歯科医療の問診では肝炎やHIV感染を確認することは難しく、そのほかにもさまざまな病気において未発症期間や潜伏期間に前もって疾病を認識することはほとんどできません。歯科では出血をともない唾液が飛び散る可能性が高いので、いつでも正しい知識をもとに患者さんに対応し、感染リスクを抑えなければなりません。

医療の安全管理体制の構築は、医療機関として当然行わなければなりませんので、感染対策の専門技士を配置し、常に正しい知識をもって対処する必要があります。当院では医療従事者が院内感染の媒介とならないように、これからも細心の注意を払います。